粟屋 剛(あわや つよし)
前期高齢者。1950年12月、山口県美祢(みね)市生まれ。
1969年3月、山口県立大嶺高等学校卒業、1973年3月、
九州大学理学部卒業、1978年3月、同法学部卒業、その後、
宇部短期大学助手、西南学院大学大学院法学研究科博士課程、徳
山大学経済学部教授等を経て、2002年4月より岡山大学大学
院医歯(薬)学総合研究科生命倫理学分野教授(2016年3月、
定年退職、同大学名誉教授)。同年4月より岡山商科大学法学部教授(2023年3月、定年退職)。その間、2017年4月~2019年3月、同大学法学部長兼同大学大学院法学研究科長。2021年4月~2023年3月、同大学副学長。ほか、2019年4月、北海道釧路市市議会議員当選(~2023年4月)。
専門は生命倫理及び医事法。これまでに、日本生命倫理学会理事、日本人権教育研究学会理事、日本医学哲学倫理学会評議員等を務めた。ほか、国際臨床生命倫理学会(International Society for Clinical Bioethics)会長、アジア生命倫理学会(Asian Bioethics Association)副会長等も務めた。
2006年11月、第18回日本生命倫理学会年次大会を主催。2011年11月、第41回日本医事法学会年次大会を主催。ほか、日本国内にて複数の国際学会を主催。
1990年代、EBB(Evidence Based Bioethics) を標榜し、インド、フィリピンにおける臓器売買、中国における死刑囚からの臓器移植、アメリカにおける人体商品化などについての実態調査を行う。インドの臓器売買調査については、ワシントンポスト紙やロサンゼルスタイムズ紙にも紹介されている。中国の死刑囚移植については、1998年6月、アメリカ連邦議会(下院)に招かれ、証言及び意見陳述を行う。アメリカの人体商品化調査等については概要を『人体部品ビジネス』(1999年、講談社選書メチエ)に報告している。
著書(単著、編著、共著)は約40冊。著書に収載されたものを含めて論文等約120篇。それらの一部は、北海道大学、山口大学、高知大学などの入学試験問題としても使われている。2007年1月、アメリカの『生命倫理百科事典(Encyclopedia of Bioethics)』全5巻3000頁の翻訳[約300人の分担翻訳]を編集代表として出版。その後、生命倫理学の最高峰とされる 『シリーズ生命倫理学 全20巻』 [総執筆者約250人] を編集代表としてリリースした(2013年配本完結)。
教育面においては、教材として『生命倫理学/医療と法 講義スライドノート』を開発したほか、学生が選ぶ第1回岡山大学ベストレクチャー賞(講義名:生命倫理学入門[オムニバス形式])を受賞(2013年11月)した。
社会活動(社会貢献)としては、2013年に主催した生命倫理国際シンポジウム(北海道釧路市)をきっかけに、北海道釧路市や釧路市医師会とタイアップして、毎年、釧路生命倫理フォーラムを総責任者として開催してきている。また、生命倫理の専門家として内閣府に招かれ講演したほか、科学研究費助成事業の審査委員も長く務めるなどしてきた。
更新:2023年6月21日
研究テーマ
臓器売買に関する実証的研究
脳死・臓器移植に関する倫理的、法的、 社会的問題の研究
人体資源化・商品化論
人体所有権論
エンハンスメント論及び人間改造論
文明論的生命倫理に関する研究
賞罰等
平成8年10月 第2回日本生命倫理学会研究奨励金受領
平成25年11月 第1回岡山大学ベストレクチャー賞受賞(講義名:生命倫理学入門[オムニバス形式])
ほか、岡山商科大学にて2度、受賞。
その他
(1)教育 ー利権や義理や保身などより正義や善や正直などの価値を大切にする全人的教育ー
社会には嘘や偽りやごまかしやズルセコが蔓延している。それらをきちんと「悪」であると認識し、社会から少しずつでもなくして行くには、利権や義理や保身などより正義や善や倫理などを大切にする全人的教育が不可欠である。
(2)研究(一部) ―エンハンスメント論及び人間改造論―
現在、テクノロジーによるエンハンスメント(能力強化)及び人間改造が進行中である。ロボットや人工知能の問題はそれらに強く関連している。テクノロジーによるエンハンスメントの問題や人間改造の問題を倫理的、法的、社会的にどう扱うかを考えることは人類の喫緊の課題である。
(3)社会活動 ―生命倫理の普及―
2013年に主催した生命倫理国際シンポジウム(北海道釧路市)をきっかけに、2014年より毎年、北海道釧路市や釧路市医師会とタイアップして国際生命倫理サマースクール&ラウンドテーブルを総責任者として開催(年1回、8月)している(名称変更して現在、「釧路生命倫理フォーラム」)。